・建設業29業種について解説していきます。
29業種とありますがその中身は、2種類の一式工事と27の専門工事に大別されます。詳しく見ていきましょう。これらは建設業許可の申請の際に必要な知識になりますので、自分の業種がどれにあてはまるのか、さらにその業種の許可を受けるためにはどのような資格が必要になってくるのか検討しましょう。
2種類の一式工事
一式工事には「土木一式」と「建築一式」に大別されます。それぞれの概要について解説していきます。
土木一式
土木一式工事とは、「総合的な企画や指導、調整のもとで土木工作物を建設する工事」のことを指します
・概要
土木一式は、建設プロジェクトにおいて土地を有効活用し、安定した基盤を構築するための工程全般を指します。これは、建物や構造物がしっかりと立ち上がり、安全かつ持続可能な形で存在するために不可欠な作業です。以下に、土木一式の主要な概要をご紹介します。
1. **調査と計画:**
まず最初に、土地の地質や地形、気象条件などを詳細に調査し、建設のための計画を立てます。地盤調査や環境アセスメントは、将来的な問題を予測し、対策を講じるために重要なステップです。
2. **地盤改良:**
土地の特性に応じて、地盤改良工事が行われます。これには、地盤が軟弱である場合の杭打ちや盛土、または地盤沈下を防ぐための対策が含まれます。
3. **基礎工事:**
地盤が整ったら、建物や構造物の基礎を造るための基礎工事が始まります。基礎の種類には様々なものがあり、地下水位や建物の荷重に応じて選択されます。
4. **施工工程:**
基礎が完成すると、その上に構造物を構築するための施工工程が進行します。これには柱や梁、壁の建設などが含まれます。
5. **インフラ整備:**
建物だけでなく、周辺の道路、橋、排水システムなどのインフラ整備も土木一式に含まれます。これにより、建物が効果的かつ安全に利用できるようになります。
土木一式は、建築プロジェクトの土台となる重要なプロセスであり、質の高い建造物を実現するために欠かせない工程です。
・専任技術者になるための要件
土木一式工事で専任技術者になるためには、特定の要件やスキルが求められます。
1. **学歴:**
土木工学、建築工学、または関連する分野での学士号以上が求められます。修士号を有する場合は、より高度な専門知識が期待されることがあります。
2. **実務経験:**
土木一式工事の分野での実務経験が重視されます。通常、3年以上から5年以上の経験が望ましいとされます。この期間中に、設計、施工管理、プロジェクト管理などの様々な側面での経験があると良いでしょう。
3. **技術スキル:**
CADやGISなどの技術スキルが必要です。特に、最新の設計ソフトウェアや地理情報システムの活用経験があると、プロジェクトを効率的かつ精密に進行させるのに役立ちます。
4. **関連する資格:**
土木工学士、土木施工管理技士、または地域や国によっては様々な資格やライセンスが必要となります。これらの資格は、専門的なスキルや知識を保持していることを証明するものです。
5. **コミュニケーション能力:**
プロジェクトの成功には、優れたコミュニケーションスキルが必須です。他の技術者、建築家、クライアントとの円滑な対話や意思疎通ができることが期待されます。
これらの要件は一般的な目安であり、企業やプロジェクトによって異なることがあります。特に実務経験の期間は、プロジェクトの規模や複雑さによって変動する傾向があります。将来的なキャリア目標に応じて、資格取得やスキル向上に努めることが重要です。
より詳しい要件についてはこちらhttps://www.kensetsu-kikin.or.jp/management/syoukeiguide/images/senningizyutsusya.pdf
建築一式
建築一式工事とは、「総合的な企画、指導、調整のもとで建築物を建設する工事」のことです。
建築一式は、建物をつくり上げるための包括的な工程を指します。デザインの構想から建物が完成し、人々が快適に生活できるようになるまでの道のりは、驚くべき挑戦とアートの融合です。このシリーズでは、建築一式がどのように進行していくのか、どのようなプロセスが関与しているのかを詳しく探っていきます。
建築一式には、建物が持つ機能や美的要素に対する理解が求められます。また、先進的な技術や環境への配慮も重要な要素となっています。建築はただの構造物ではなく、そこで生きる人々の生活を豊かにするための空間を生み出すプロセスでもあります。
・概要
建築一式は、建物や構造物を創り上げるための包括的な工程を指し、その過程は多岐にわたります。以下に、建築一式の主要な概要をご紹介します。
1. **設計段階:**
建築一式の最初のステップは、設計段階です。建物の機能、デザイン、エネルギー効率などに関する詳細な計画が立てられます。建築家や設計者がクライアントの要望とビジョンを取り入れ、具体的な図面やモデルを作成します。
2. **予算と資金調達:**
設計が確定したら、プロジェクトの予算が策定され、必要な資金を調達するプロセスが始まります。これにはクライアントとの調整や建設ローンの手続きが含まれます。
3. **許認可取得:**
地元の建築基準や規制に従い、建築プロジェクトのための必要な許認可を取得するプロセスが進行します。都市計画や環境に対する影響評価も考慮されます。
4. **基礎工事:**
建物の基礎が築かれます。これには基礎の種類に応じて、地盤改良やコンクリートの打設が含まれます。基礎がしっかりしていることは、建物の安定性に直結します。
5. **骨組みと構造:**
鉄骨、木造、コンクリートなどの素材を使用して建物の骨組みや構造が組まれます。これは建物の基本的な骨格を形成し、耐荷重性や安全性を確保します。
6. **外装と内装:**
外壁や屋根などの外装が取り付けられ、建物の外観が整えられます。同時に、内部の仕上げや配管、電気設備、給排水などの内装工事も進行します。
7. **設備工事:**
建物の機能を支えるために、空調設備、給排水設備、電気設備などが設置されます。これにはエネルギー効率や持続可能性への配慮が重要です。
8. **竣工検査と引渡し:**
建築が完成したら、竣工検査が実施され、クライアントに引き渡されます。この段階で細部の確認や最終的な調整が行われ、完成した建物が安全かつ機能的であることが確認されます。
建築一式は、これらの工程が連携して進行することで、クライアントの期待を超える美しさと機能性を持った建物が誕生します。建築のプロセスを通して、空間がどのようにして形成され、人々の生活に寄与するのか、探求していくことは、建築の魅力をより深く理解する手助けとなります。
・専任技術者になるための要件
専任技術者としての職務に就くためには、以下のような詳細な要件が求められることがあります。
1. **学歴:**
– 工学や科学の分野での学士号以上が必要であり、特に関連専攻(土木工学、電気工学、機械工学など)が重視されます。
2. **専門知識:**
– 専門技術者としてのキャリアを構築するために、特定の技術分野において5年以上の深い専門知識が求められます。これには最新の技術動向や業界標準に対する徹底的な理解が含まれます。
3. **実務経験:**
– 関連するプロジェクトにおいて5年以上の実地経験が必要です。経験が豊富であれば、複雑なプロジェクトの設計、実施、監視、および改善に関わった経験が評価されます。
4. **資格やライセンス:**
– 職種や地域によって異なりますが、関連する資格やライセンスを保有していることが期待されます。これには、専門技術者としての認定や業務の範囲を示す資格が含まれます。
5. **プロジェクト管理のスキル:**
– 大規模で複雑なプロジェクトを成功裏に完了するために、プロジェクト管理のスキルが求められます。スケジュールの管理、予算の策定、リーダーシップなどが必要です。
6. **コミュニケーションスキル:**
– 専任技術者は技術的な情報を他の専門家や非技術者に効果的に伝える必要があります。協力やプロジェクトの進捗報告などでコミュニケーションスキルが重要です。
7. **問題解決力:**
– 複雑な技術的な課題に対処し、迅速に問題を解決できる能力が求められます。クリティカルシンキングや分析能力が必須です。
8. **安全規定の理解:**
– 安全性への専門的な理解が必要であり、関連する安全規定や法令を理解し、実践することが期待されます。
これらの要件は一般的なものであり、詳細は求人募集や企業によって異なる可能性があります。具体的なポジションに応じて要件を確認し、自身のスキルや経験を適切にアピールできるようにすることが重要です。
より詳しい要件についてはこちらhttps://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/info/qa/pdf/R0501/R0501_05.pdf
27の専門工事
建設業許可を必要とする29業種のうち2つは、上述した土木一式工事と建築一式にあたります。残りの27業種について以下の資料をご覧ください。
https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/info/qa/pdf/h3006_shiryo_01_gyosyu.pdf
これら各業種にて、自分の行う事業を選定しそれに伴う要件を満たし許可を受けて下さい。
要件の一つとして、施工管理技術検定がありますので気になる方は下のリンクから ⇩
https://www.fcip-shiken.jp/
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