事業承継におけるリスク管理と防止策について徹底解説

事業承継

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 本記事は、事業承継におけるリスク管理と防止策について解説していく内容になっています。

 事業承継を考えている経営者の皆さん、こういう心配事ありませんか?
1 後継者が決まっていない状況で経営者が倒れたとか、
2 相続発生時の株式分散してしまったらどうしたらいいのかとか、
3 経営業績悪化による企業価値低下したらM&Aにも影響してくのか?とか

そういった不安について解説していきます。

1 後継者が決まっていない状況で経営者が倒れた

 

①廃業を選択した場合のコスト

 経営者が突然倒れ後継者がいない場合は廃業に迫られますが、その際多額のコストがかかってしまうことがあります。以下の3つです。

  •  ①廃業手続きに掛かる費用
  •  ②従業員への退職金
  •  ③債務が残っている場合は支払わなければならない

①.廃業手続きに掛かる費用
  
 廃業に掛かる費用は4.1万円ほどかかります。その内訳としてはいかになります。


 ・解散登記 3万
 ・清算人登記 9千円
 ・清算結了登記 2千円
 ・国の機関紙官報による公告1行に付き3,589円(税込み)

② 従業員への退職金
 従業員を雇っている場合の廃業では退職金を支払わなければいけません。
 退職金の計算
・定額制    = 勤続年数だけで退職一時金の額を決定する方法(例 勤続10年=100万 勤続20年=200万)

・基本給連動型 = 最終月額報酬×支給率(勤続年数により変動)×退職事由係数

 退職金のほかに解雇予告手当の支払い義務を発生する場合ばがあるので注意が必要です。解雇予告手当とは解雇の30日以上前に従業員に予告できなかった場合に日数分の手当をつけなければならないことです。
従業員の退職金について(PDF)(厚生労働省:提供)

③ 債務が残っている場合は支払わなければならない
 廃業する際に負債が残っている場合はこれは支払い義務があります。例外として法人破産(b)の場合は会社の財産差し押さえにより債務の取り立てから免れることが出来ます。この法人破産でメリット・デメリットはあるので確認して検討しましょう。デメリットを一つ上げると、会社の経営者が連帯保証人となっている場合は経営者自身の個人破産も同時に行わなければいけないという事です。

 

②従業員の雇用

 経営者が突然倒れた(又は亡くなった)場合の従業員の雇用はどうなるのか?結論、早急に新代表を選任し会社を継続していく。なぜなら経営者がいなくなって廃業を選択してしまうと、従業員の雇用や取引先との関係を守れなくなってしまうからです。
 
 なので廃業を選択肢に入れずどうすれば会社を存続させることが出来るかを検討しましょう。

 

③その防止策

 その解決策としては、経営者は高齢化していくに伴い会社の将来を見据え早めに事業承継について考えておくことです。日本の経営者の平均年齢は毎年恒例化しています。
2022年時点の経営者の平均年齢は60.4歳です。32年連続の上昇です。

提供;帝国データバンク

 これは若い経営者が出てきていないといううこともありますが、初代の経営者が事業承継をせずに長年経営を担い続けているという事です。上述したリスクをしっかり管理するにはやはり経営者自身が会社の将来について早めに考え行動しておくことが大事だといえます。

2 相続発生時の株式分散

 

①経営権

 相続が発生した場合、通常経営者の親族に相続権があるので決められた割合で相続されます。これを法定相続分と言いますが、相続人同士の合意があればその配分通りでなくても構いません。


:配偶者と子供2人の場合

相続順位としては以下になります。
1順位 配偶者
2順位 子供(いる場合)
3順位 両親
4順位 兄弟

 この際考えられるリスクが株式の分散により後継者が経営権を取得しにくくなる(b)ことです。経営権を取得するには会社の株式を1/2以上保有する必要があります。なので親族に分散した場合には合意の上、会社で株式を買い取り経営権を取得する方法があります。

 

②防ぐには

 しかしながら、一度分散した株式を集約するにはかなりの労力がかかってしまいます。ではその前にそういった分散を防ぐにはどういった解決策があるのか?以下の2つがあげられます。

1.種類別株式の活用

 種類別株式は全部で9つありますが、株式分散については以下の4つの株式を活用することで防ぐことが出来ます。

種類別株式
(種類別株式 PDF)
2.遺言書に後継者を記載する

 経営者が遺言書に後継者を記載しておくことで経営権を取得させ事業承継をスムーズに進めやすくなります。ただし株式を集中させる相続人以外の遺留分を侵害しないように注意する必要があります。

3 経営業績の悪化による企業価値低下

 

①M&A

 企業価値低下はM&Aにも影響してきます。M&Aは企業の価値に対して価格を決めるので財務状況の悪化や経営不振に陥るとその分下がります。事業承継の際に経営状況がよくないと希望の価格で買収してもらえないという事もありますが、そもそもこの経営不振により買収後に立て直せる見込みがなければM&A自体成立しません。

もし自分の会社をM&Aで承継を考えている方はしっかり経営状況を把握しより良い状態にして売り出すことを考えなくてはいけません。

 

②社員のモチベーション低下

 M&Aにより環境が変わることによって社員のモチベーションが下がることがあります。それらは主に以下の3つがあげられます。

  • ・企業文化の違い
  • ・慣れない仕事をする可能性
  • ・環境が変わり働きにくい

M&A総合研究所から引用:

より詳しく書かれています。

以上

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